ソラカズキの話をしよう

ハッスルハッスルハッスルハッスルハッスルメ~ツ!(挨拶)

 

バウホール公演、ハッスルメイツに行って来ました。
最高。
ハッスルメイツたち、最高。
ソラカズキ、最高。
ソラカズキシックで、配信されているソラカズキの歌を聞いてすごす日々。
この話をするにはまず、ソラカズキこと、かずきそらさんとの出会いについて書かねばならない。

 

  順調にたからづかの観劇を重ねていた私。なにせ今年の目標は全組の観劇、宙組本公演チケット発売の頃にはもう紫色のカードを作ってチケット戦争に励んでいた。なお、お友達にはしてもらえないのでカードを作ろうが作らまいが戦争は戦争。紫色のカードはどうのつるぎ か こんぼう ってとこかな……(ひのきのぼう は大手プレイガイド)

  そんな日々の中、宙組本公演のチケットを無事入手し、劇場へ足を運んだ。その公演は、「天は赤い河のほとり/シトラスの風」。
この公演、自分の見かけた範囲での前評判は、ラムセスを演じるせりかとあさん一色。多くの方々がせりかさんに落ちてブログを始める様を目にしていた。(せりかさんに落ちるとブログを始めなければいけないらしい)

  天河を予習中、ラムセスのキャラクターは正直好きな系統かもしれない……と思っていたので、私もご多分に漏れず観劇後にはせりかさん~~!!と悶え、人のブログを読み漁っては心のわかる~!ボタンを連打しているだろうと思っていた。

 

  ところが、上演開始しばらくして、とある一人に目が奪われる。カイル王子に仕える隊長の一人、赤いマントを羽織った、カッシュ。
何と言うか、とにかく、お顔が目立つ。顔認識能力がめちゃくちゃ低いことに定評のある私でも、一瞬でどこにいるのかが分かる。どことなく、じゃにーずのうえだたつやさんの系統を感じる。あのオラつきみのある男顔(褒めてる)、めちゃくちゃ気になる……
  しばらく注目していると、身のこなしがとても軽くてキレのあることに気が付く。歌の目立つところでは、伸びと深みのある歌声が聞こえてくる。

  はっはーん、さては人気の若手実力派だな!と勝手に目星をつけ、ショーでも注目してみると、お芝居の時以上に際立つダンスのキレ。
  そしてどのシーンにいても、本当にどこにいるのかすぐ分かる。お芝居は衣装が分かりやすいからまだしも、ショーでは衣装も髪型もすぐ変わるのに。こんなことは初めて。


  帰宅後も彼女のことが忘れられず、調べてみる。その方の名前は、かずきそらさん。

  しかもなんと、次のバウホール公演主演をされるという。なんというタイミング。

 

  正直なところこの時、自分でもかずきそらさんに落ちたのかどうか分からなかった。けれど、いにしえオタクの直感が囁いた、行っておかないと後悔すると。ただし相手は悪名高きバウホール。本公演に比べて、公演期間は短いし劇場キャパも小さい。一般人が手にできるチケットなんて存在するのだろうか?もし手に入れられたとして、ぽっと出のにわかが現地にいて叩きのめされないだろうか(妄想です)??けれど、直感に抗うことはできなかった。
  相変わらず紫色のカードは友達にしてくれなかったが、一発目のプレイガイド先行当落当日、私の目に飛び込んできた「当選」の文字。

 

チケットは……存在……したのだ……

 

ありがとうチケットぴ◯。

ありがとう当選確率UP券。

あとみんな、第三希望までちゃんと入力しなきゃダメだぞ!

いにしえオタクとの約束だ!
この後ご縁にも恵まれ、同日別時間公演のチケットも手に入れる。

 

こうして8/13、私は初めてのバウホールへと足を運んだ。
とにかく最高だった。
主役は遅れて登場するソラカズキ。
誰よりもスパンコールやラメを施したきらびやかな赤い衣装を身に纏い、センターで歌い踊るソラカズキ。
歌い出した瞬間に、踊り出した瞬間に、一気に会場の意識を掌握するソラカズキ。

 

  歌声が美しい。ハスキーで深みがあり、響きの残る歌声。弾むようにポップなリズム感。テーマソング1のハッスルメイツではそのリズミカルな歌声に元気を貰えるし、テーマソング2の君のSORAでは優しい歌声が心に染みわたる。キッチュでのグルーヴ感と芯のある歌声はロックさを増し、バンドライブのよう。大漁ソーランでのドスの聞いたイケメンボイスには惚れ惚れてしまう。

 

  表情が美しい。その美しいお顔をシーンによってくるくる変える。ハッスルメイツやショーメドレーでは、その輝くような無邪気な笑顔にウインクに魅了される。ルキーニで見せる胡散臭いけれど耳を傾けたくなる不思議な表情。大漁ソーランでは頼りがいのあるやんちゃな兄貴顔に惚れてしまう。和物メドレーで見せる陰のある表情にドキッとさせられる。

 

  そして最大の魅力と言っても過言ではない、キレッキレの素晴らしいダンス。キレているだけではなくて動きもリズム感も緩急自在で、その七変化ぶりから目が離せない。デュエットダンスの振り付けや黒燕尾といった、いわゆるTHE 宝塚男役の振る舞いももちろん忘れずに見せてくれる。

 

  特にNEVER SAY GOODBYEと、ボヘミアン・ラプソディの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。
  NEVER SAY GOODBYEでは一声も発さず、裸足でのダンスと表情で全てを表現していた。いつものキレのある動きだけではなく、しなやかな動きとの融合。客席に向けられた苦しそうな、悩ましげな表情からは目も心も離せないし、伸ばされた美しい手足の先まで感情を持っていた。
  ボヘミアン・ラプソディでは歌いながらも、表情とダンスでそのストーリーを表現していた。最後母親を思い浮かべて、少し苦しそうな、でも少し恍惚とした笑顔で手を伸ばし、若者は何を思っていたのだろうか。

 

  あぁ、この人は根っからの表現者なのだな……、と、表現力の爆発に呆然とした。

 

 

  もちろん他の方々もとても素敵だったのだ。まつかぜさんの黒燕尾は男役の美しさを凝縮したかのような格好良さだったし、るかぜさん・あまいろさんのテンプテーションが醸し出す色気と青さの入り交じった空気感にあてられた。
  でも、かずきそらさんからはどうしても目が離せなかったのだ。この引力は正にスターのそれだなと、私は思っている。
  これからかずきそらさんは、益々、宝塚男役として磨きをかけていくのだろう。既に今でもこんなに表現力が爆発しているのに、今後どうなっていくのだろう。楽しみでしょうがない。